えぬという女

新宿で会った。

そもそも最初から乗り気では無かった。

だがなんとなく興味を持った事もあって会うことにした。

喫茶店に行き、少し話して意気投合した。

面白い女。

小顔で顔立ちははっきりしていて、体つきは細くて。

あそこの締まりもいいと思う。

下っ腹が出ていたのは、胃下垂の影響か。

そろそろ時間だからと言って店を出たのだが、その後に服を買うから付き合ってくれと言う。

何店舗か回って17000円くらいのスカートを買ってやった。

別れ際に私のQRコードを見せてラインの交換をした。

交換をしたつもりだったが、いつまで経っても登録が無い。

サイトでは、既にその女の登録は消えていた。

つまりアクセス拒否。

都会の雑踏に消えた。

家に帰ってパソコンから女を捜した。

履歴からたどり着き、サイトに報告した。

連絡交換後に姿を消す、しかも買い物をさせておいて消える、詐欺みたいな行為をする女。

コメントにそう書いたから、ビックリマークと共にサイト管理者からのコメントがプロフィール欄のトップにでるようになる。

私としてはこの17,000円が惜しいかと言われたら、ちょっと怪我をしたようなものだ。

食事したってそのくらいにはなる。

これで縁が切れたことになれば安いもの。

下手に付き合いが長引いて、余計なコストがかかるよりはよほどマシだ。

この女、そのうちに何かで墓穴を掘る。